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2016-10-14

本の価格と本の価値


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当たり前のことですが、古本屋さんですから、本に値段をつけています。
新しい本に100円とついているものもあれば、色褪せた本に10,000円とついているものもあります。

ときどき、どうやって値段を決めてるの?と尋ねられることがあるのですが、残念ながら?マニュアルがあるわけではありません。

いつ発刊されたのか、絶版になっているのか、痛み具合や色褪せ具合はどうか、誰の装丁なのか、などなどなその都度、本と相談しながら、ひとつひとつ値段を決めます。

けれども、
けっして値段が高いから価値があり、安いから価値がないということではありません。

シミがあろうと、痛んでいようと、本に惚れてくださった方にとっては、その本との出会いが、一期一会の出会いになるかもしれません。
また、ほとんどの方が興味がわかないような古い雑誌でも、ある人にとってみれば、懐かしい思い出の宝物になるかもしれません。

価格は、購入いただくために定めたものですが、価値とイコールではありません。
価値はこの本を手にとってくださった方が決めてくださるものであり、わたしたちがお届けするものだと思っています。

さて、
あいたくて書房にはカバーがなくなった古い文庫本たちがたくさんいます。重版されているため、値段はほとんどつきません。
通常は廃棄処分されることも多い本ばかり…。

けれども、けっして価値がないわけではありません。

本はまるで人のようです。
いろんな方がいらっしゃるように本たちの顔も実に様々…。
キレイにお洒落したお姉さんのような本もあれば、人生のシワをいっぱいきざんだおばあちゃんのような本もあります。
小難しいおじさんのような本もあれば、ほっとさせてくれるお母さんのような本もあります。
セレブな匂いが漂う本もあれば、居酒屋で一緒に飲みたいような雰囲気の本もあります。
だから、人みたいだと思うと、全ての本が愛おしくなります。

今日、部屋の隅っこに置いていた裸本が詰まった段ボールをあけ、カバーをつけてあげました。
「いい出会いがあるといいなぁ」と願いつつ……
そして、ついつい、合理的に考えてしまう最近の自分に自戒を込めつつ……

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