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2016-08-07

8月の本棚


今月は、谷崎潤一郎と佐藤春夫の「細君譲渡事件」についてご紹介します。この事件は、谷崎潤一郎とその妻・千代と佐藤春夫の三角関係が発端となった出来事で、谷崎夫妻の離婚により決着しましたが、その内容が三人の連名で昭和5年8月19日付けの新聞に掲載されたことで、センセーショナルな恋愛沙汰として世間を騒がせました。

しかしながら、彼らの作品を辿ると、スキャンダルという言葉や美醜や善悪では語りつくせない生々しい「人間の真実」が見えてきます。

太宰治は「小説を書くというのは日本橋のまんなかで、素っ裸で仰向けに寝るようなものだ」という言葉を残していますが、太宰の人生と同様に、谷崎と佐藤の人生もまた小説と一体化していたのです。

彼らが、昭和を代表する文士として名を馳せた所以が、この事件の中に隠されているといっても過言ではないでしょう。

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