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2016-07-29

ちいさいおうち

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『ちいさいおうち』は、アメリカの作家バージニア・リー・バートンによって1942年に発表された絵本で、日本では1954年に岩波書店から刊行されました。

1枚目の写真は1954年に「岩波子どもの本」として出版されたもの(第13版、1968年)、2枚目の写真は同社より1965年に出版されたもの(第44版、1999年)、3枚目はカナダで販売された同書の英語版です。そして、4枚目から6枚目はそれぞれの絵本の同じ箇所の写真です。

比べてみると不思議なことに気がつきます。
というのは、4枚目の挿絵と5枚目、6枚目の挿絵とでは、人が立っている位置が異なっているのです。つまり、左右が反転しているというわけ。

これは表紙以外、全てページの挿絵で言えること…。

なぜこのようなことになっているのでしょう?

おそらく、前者が「縦書き、右開き」であることがその理由だと考えられます。この絵本にはおひさまが頻繁に登場するのですが、ストーリーに合わせておひさまが動く必要があったのでしょう。
あえて原画を裏焼きに使用することで生まれた「日本仕様」の『ちいさいおうち』。
それは、ホンモノの絵本を子どもたちに届けるための出版社の心配りだったとも言えるでしょう。

今でも大人気の『ちいさいおうち』。

すっかり横書きバージョンが定番ですが、機会があればぜひ、縦書きバージョンにも触れてください。目を縦に走らせること、ページを右に捲ること、ただそれだけで、違った感じ方ができると思います。

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